被災動物救援活動

新潟県中越大震災被災動物救済活動について

新潟県中越大震災動物救援本部解散のご報告
 新潟県中越大震災被災動物救済活動は、震災発生直後より8カ月間、動物だけでなく、被災した飼い主への支援としても大きな成果をあげました。
 その結果、現在では動物の支援に関する被災者からの要請も少なくなってきたことなどから、災害時の緊急対応は終了したこととし、「新潟県中越大震災動物救済本部」はその役目を終え、平成17年6月29日をもって解散いたしました。今後の継続的な支援活動は新潟県動物愛護協会が引き継ぐこととなっております。
 これに伴い、これまで皆様にご協力をお願いしておりました義援金の募集を締め切らせていただきます。
 今回の災害支援のために全国から集まった募金総額は、37、138、458円(平成17年6月29日現在)となりました。
 温かいご支援、ありがとうございました。

「新潟県中越大震災動物救済本部」における主な活動

1. フードなど支援物資提供事業
ペットフードの調達と被災者への配付など
2. 動物関連備品貸与事業
ケージなどの調達と被災者への貸し出しなど
3. 仮設住宅等支援事業
動物飼育用コンテナハウスなどの設置など
4. 被災動物一時預かり等支援事業
動物飼育用品、消耗品等の支援など
5. 被災動物等健康管理支援事業
被災動物の健康管理のための薬品類の調達と関係機関への配付など
6. ボランティア派遣支援事業
新潟県の実施する譲渡会を支援するスタッフの派遣など
7. 動物救済本部運営事業
本部及び事務局の管理運営など
8. 救済基金運営
基金、義援金の管理など
9. 広報、調査、事業報告
ホームページによる情報提供や視察など
10. その他
被災動物の繁殖制限手術助成事業など

 今後、新潟県動物愛護協会が引き継ぐ業務は、山古志村の動物たちへの給餌や健康管理活動などのほか、広報、調査、事業報告などに伴う残務処理となります。
 現在の山古志村は、住民の安全確保のための規則はありますが、立ち入りが認められていますので、長岡市で避難生活を送る村民の方々も被害を受けた自宅の片付けに行くことが可能となっています。どうしても保護ができず村に残っていた猫たちは、日帰りで帰宅した村民や、工事関係の方々にも餌をもらいながら、豪雪の冬を乗り越え頑張って生き延びていました。
 また仮設住宅に住む飼い主とともに避難生活を送る動物たちも、今では落ち着きを取り戻し、仮設住宅でのルールに従って生活していました。

 今回の震災の動物救護活動において注目すべきは、被災動物のために設置された動物保護シェルターでの救護ではなく、新潟県を主体とし各地域の動物保護管理センターの一時預かりや救護活動、また仮設住宅ごとの飼い主とコミュニティによる自主管理が行なわれた点です。
 災害が発生する地域によっては新潟と同様に、それぞれの地元での被災動物支援対策が必要になってくる場合もあります。新潟での動物支援活動の結果は今後の防災計画や動物救護活動に役立つことと思われます。
 昨年、新潟県は「7.13水害」でも、多量の雨による大きな被害を受けていました。去る平成17年6月28日、新潟県を豪雨が襲った時には、これまでの経験が充分活かされており、避難が必要だった飼い主は、いち早く各動物保護管理センターに問い合わせを行なっていますし、また地元の動物保護管理センターもすぐに受け入れられる態勢を整えていました。
 豪雨による被害を予測し、行政と飼い主の両者が早めに動いたことも、被害を押さえる重要なポイントになっていました。
 このことからも、過去に起こった災害時の経験を次に活かすことが、いかに大切かがわかります。

 新潟県の緊急時の動物支援活動は終了いたしましたが、未だ避難生活を余儀なくされている被災者や、被災動物たちが元通りの生活を取り戻すにはもうしばらく時間がかかると思われます。今回の号にて「新潟県中越大震災動物救援本部解散のご報告」をいたしましたが、災害支援を一時的なものに終わらせるのではなく、その復興まで見守る観点からも、災害後の状況の変化や新たな情報がございましたら、その都度、機関誌「愛玩動物」、ホームページなどを通じてご報告させていただく予定です。

▼リンク:
「平成16年新潟県被災動物の支援活動について」(新潟県)
「新潟県中越大震災動物救済本部」

平成17年1月21日

新潟県中越大震災にかかる被災動物の支援活動について経過のご報告

1. 緊急災害時動物救援本部の動き
平成16年12月1~2日にかけて、社団法人日本獣医師会、財団法人日本動物愛護協会、社団法人日本動物福祉協会、社団法人日本愛玩動物協会、環境省(オブザーバー)の代表5名が現地入りし、2日間に渡り被災地を視察した。新潟県と新潟県獣医師会と今後の対応について協議した。12月10日(金)、その報告と今後の対応を検討するため、第2回緊急災害時動物救援本部会議が召集された。
平成17年1月19日、「新潟県中越大震災動物救済本部」の設置に伴い、緊急災害時動物救援本部で代行していた「新潟県中越地震動物救済仮本部」の電話受付業務、義援金の保管などを「新潟県中越大震災動物救済本部」に移行した。

2. 「新潟県中越大震災動物救済本部」の設置
1. 「新潟県中越地震動物救済仮本部」を「新潟県中越大震災動物救済本部」とし、平成17年1月19日、新潟県獣医師会に事務局を設置した。
2. 平成17年1月18日現在義援金総額 約 32,700,000円

3. 動物保護活動
1. 山古志村に関しては猫が数頭残っているため、可能な限り新潟県生活衛生課、および県中越動物保護管理センターで給餌給水に通う。
2. 保護された動物はいったん管轄の動物保護管理センターに収容。健康状態などを確認。
その後飼い主の希望に沿って、県内5ケ所の動物保護管理センター、県内の獣医師(県獣医師会)、仮設住宅、飼い主の親戚宅など預け先へ移動。仮設住宅での動物飼育が可能となっているため、飼い主に対し仮設住宅内での動物の飼養方法やマナー、健康管理の指導を行う。
3. 飼育が継続できない飼い主への対応
様々な事情で飼育が継続できない場合、新しい飼い主探しや一時預かりなどの方法を両者協議の上、行っていく。

4. 本協会対応
1. 機関誌などを通じ行っていた義援金の募集はこれまで通り実施。その他の支援に関しては、新潟県中越大震災動物救済本部からの要請に基づき、対応していく。
2. 被災動物救援活動についての報告は、機関誌、ホームページ、または報告会などを通じ継続して行っていく。
3. 平成17年1月11日現在義援金総額  約 1,400,000円
※「新潟県中越大震災動物救済本部」口座へ振り替え済み。

新潟県中越大震災被災動物救援活動について

被害を受けた山古志村の様子

平成16年11月30日、12月1日、2日と再び新潟を訪問いたしました。地震発生から50日あまりが過ぎ、余震の回数も減ったとはいえ、12月10日にも震度3の余震が起こっています。地震後の雨による地盤の緩みなど、まだまだ予断を許しませんが、被災地では全国からの応援を受けた住民の皆さんが、全力を上げて復興に取り組んでいらっしゃいます。
(右の写真:被害を受けた山古志村の様子。山肌は崩れ、道路が落ちている。上方に見える家屋は立ち入りが規制されている。)

被害を受けた山古志村の様子

全村避難指示のため動物が残されていた山古志村では、新潟県生活衛生課と新潟県中越動物保護管理センターの職員の方が毎日のように足を運び、給餌、給水、保護活動を行っていらっしゃいました。山あいにある山古志村は地滑りにより道路が分断され、家屋の崩落が起こっています。地震の後の土石流による被害も深刻でした。現在でも入村は規制され、危険が伴う中での動物救護活動となります。給餌をするにも、重いフードを抱え、道なき道を徒歩で移動しなければならない箇所もあります。
(左の写真:飼い主からの依頼を受けてねこを保護し、長岡市内の新潟県中越動物保護管理センターに収容する。(山古志村))

被害を受けた山古志村の様子

村内で飼育されている家庭動物について、犬の場合は飼育頭数が把握されており保護しやすいとのこと。しかし、ネコに関しては地域で飼っていた感もあり、正確な頭数がわかっていません。また、警戒心が強いため、捕獲器などを設置してもなかなか入らないなどの苦労があるとのことでした。今後山古志村の動物たちに関しては、飼い主と相談をしつつ、降雪前に1頭でも多くの保護を行う予定です。山古志村は新潟の中でも雪が深い地域です。降雪量は3メートルにも及ぶといいますが、新潟県生活衛生課では降雪の後にもできる限り給餌に通うとのことでした。
(右の写真:ねこのために給餌、給水を行う県の職員。(山古志村))

被害を受けた山古志村の様子

また、県内各地で仮設住宅の建設が始まり、体育館や公民館などで避難生活を送っていらっしゃった方々も、仮設住宅への移動を始めていらっしゃいました。ほとんどの仮設住宅が動物飼育可能となっていることは、飼い主とペットにとって大変喜ばしいことです。ペットが家族同様の存在であることが、社会にも認知されている結果だともいえるでしょう。しかし共同生活の中で、人と動物が共生していくためには、飼育者の責任やモラルが大きく問われます。生活衛生課でも「仮設住宅における動物飼育の注意ポイント」として、動物飼育のルール作りの提案や健康管理、衛生管理などのアドバイスを行っています。震災後、避難所で受け入れてもらえていたのは、社会性を身につけていて飼い主がきちんと周りに配慮している動物たちでした。避難所でのストレスの多い生活の中、動物をかわいがることで癒されている子供たちの姿もありました。避難所での共同生活においては、動物を飼育していることが地域社会に受け入れられていることが非常に大切です。そのためには最低限のしつけなど、普段から飼い主責任を果たしていることの重要性を改めて実感しました。
(左の写真:新潟県中越動物保護管理センターに保護されているウサギ。フェレットやハムスターなどの小動物も保護されていた。)

被害を受けた山古志村の様子

10月に立ち上がった「新潟県中越地震動物救済仮本部」は、間もなく「仮」が取れ、現地対策本部として活動を開始します。それに伴い、動物の一時預かりや新しい飼い主探し、動物の飼育相談やしつけ相談など、様々な支援が必要になってくることが予想されます。本協会では、緊急災害時動物救援本部を通じ、今後も継続して被災動物への支援協力を行う予定です。それらの情報や協力のお願いは随時機関誌等を通じて皆さんにお伝えしていきます。今回は行政の動物保護活動を主にご報告いたしましたが、県や市町村の職員の方々はご自身が被災されている中、寝食を惜しんで被災者と被災動物の救護にあたっていらっしゃいます。当初「新潟県中越地震」という名称で呼ばれていたこの震災ですが、「新潟県中越大震災」と名称を変える程大きな被害になってしまいました。しかし新潟では「元気出していこー新潟」をスローガンに、1日も早い復興に向け頑張っています。動物たちが元通り安心して生活を送るためには、まず飼い主の生活が元通りにならなければいけません。
(右の写真:小千谷市の避難所入り口に用意されていたタマ(ねこ)の家。タマは暖かい段ボールハウスの中でぐっすり眠っていた。)

被害を受けた山古志村の様子

(報告/協会職員・池田潤子)
(左の写真:降雪前に入居できるよう、仮設住宅の建設が急ピッチで進められていた。)

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