飼い主のマナーハンドブック(日本愛玩動物協会)
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猫編ノラ猫へのエサやりは周囲の迷惑になります ペットの排泄物の処理方法は、地域によって異なります(14ページ参照)。地域のルールに適合しているか、再確認しましょう。可燃ゴミとして出す場合、周りの人に不快感を与えないよう、新聞紙などで包んで排泄物が見えないようにする配慮も必要です。猫の排泄物は独特なニオイがするので、ニオイもれにも注意しましょう。 気をつけたいのが排泄物をトイレに流すときです。トイレに流せる猫用トイレ砂であっても、水を吸うと固まるタイプの場合、トイレが詰まって逆流するなどのトラブルが起きることもあります。流せるタイプの砂であっても一度に大量に流さない、流れにくい節水トイレには流さないなどの注意をしましょう。マンションでの水漏れは、階下にも被害を及ぼす危険があります。 爪とぎは猫の本能ですが、壁や柱で爪とぎをされると傷だらけになってしまいます。爪とぎ器で爪とぎをさせるように誘導しましょう。そのためには、猫の好みにあった爪とぎ器を与える必要があります。段ボール製や麻ヒモ製、縦置き型や横置き型など多くの種類があるので、いろいろ試してみましょう。もともと爪とぎしていた場所に爪とぎ器を設置したり、マタタビを爪とぎ器に振りかけて興味をひくのもよい手です。 壁などで爪とぎしている猫を「コラ!」などと叱っても効果はありません。爪とぎをさせたくない場所は、その前に家具を置いて物理的にできないようにしたり、爪とぎ防止シートなどを貼って防ぎます。 猫好きな人は、ノラ猫も放っておけないかもしれません。お腹を空かせているノラ猫にエサをやりたい気持ちはよくわかりますが、ノラ猫が住みついてしまうとフン尿などの被害が起こるだけでなく、ノラ猫が増える原因にもなります。エサを放置すると悪臭が発生し、食べ残しを狙ってネズミやカラスなどが増えることもあります。 ノラ猫を放っておけないのであれば、保護して飼い主を探すのが理想ですが、それができなければ「地域猫」 として世話をする方法もあります。周囲の理解を得ることが必要ですが、不妊・去勢手術をしたうえ、食べ残しやフン尿の掃除も行い、管理しながら一代限りの世話をする方法です。かわいそうだからと、ただエサを与えるだけの一時しのぎの行為はやめましょう。19「流せる猫用トイレ砂」でもトイレ詰まりを起こす爪とぎ器で爪とぎさせるよう誘導する作戦をColumn猫が排泄したらすぐにトイレに流すという処理法は衛生的ですが、トイレ砂の種類によっては、トイレを詰まらせてしまう危険もあります。排泄物爪とぎ排泄物をトイレに流すときはトイレ詰まりに要注意壁や柱での爪とぎはなるべく防ごうNG!

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