飼い主のマナーハンドブック(日本愛玩動物協会)
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小鳥編野鳥へのエサやりはやめましょう 体は小さくても、大きな鳴き声を出す鳥種もいます。マンションで鳥を飼う際は、あらかじめ鳴き声の大きさを確認しておきましょう。鳥に詳しい獣医師やペットショップの人にアドバイスをもらうのもよいでしょう。 コザクラインコなどは鳴き声が大きくて甲高いので、近所迷惑になるおそれがあります。ケージの周りを専用のアクリルケースで覆ったり、二重窓にする、遮音カーテンに替えるなどの対策をして部屋の防音性を高くしましょう。 ペット用の鳥の多くは昼行性のため、朝、部屋が明るくなると鳴き始めて、近所迷惑になることがあります。この場合は、ケージに厚めの布をかけるなどして暗くしておくと、鳥はまだ朝になっていないと勘違いをして鳴き出しません。 飼い主さんにそばに来てほしいために鳴く「呼び鳴き」は、呼ばれても行かないことが大切です。そばに行ってしまうとそれを覚え、何度も繰り返すようになります。左記のような防音対策をしたうえで、鳥があきらめて鳴かなくなるまで無視し続けましょう。熱中できるオモチャを与えたりすることも効果があります。 オウムなどの大型の鳥は絶叫のような大声を上げることがあります。マンションで飼育するには防音室を設置するなど、特別なリフォームが必要になります。また、大型インコやオウムの寿命は30〜80年と長く、人とのコミュニケーションを好むので、最期まで飼うことができるかどうか、飼い始める前によく考えることが必要です。 鳥好きの人は、マンションの周りにいる野鳥にもエサをやりたいと思うかもしれません。しかし、鳥が集まるとフン害が起こります。マンションのほかの住人の迷惑にもなるフン害を招く行為は慎むべきです。自宅のベランダやマンションの敷地内はもちろん、公園など公共の場所で野鳥にエサをやることはやめましょう。自治体によっては公共の場所でのエサやりを条例で禁止しているところもありますし、マンションのベランダでハトを餌づけした住人が、管理組合から損害賠償を求められた例もあります。 本来は自然の草木から食物を得ている野鳥にエサを与えることは、安易な大量繁殖につながり、ひいては生態系を乱すことにもつながります。さらに鳥のフンから飼い鳥に病気がうつったり、クリプトコッカス症やオウム病などの「人と動物の共通感染症」(34ページ参照)に感染するおそれもあります。人と愛鳥を感染症から守るためにも、無責任なエサやりはやめましょう。25防音対策としつけでうるさい鳴き声を減らすフン害はマンションの美観を損ね、屋根や雨どいが劣化するなど建物に損害を与えることもありますColumnうるさい鳴き声は隣近所の人だけでなく、飼い主さん自身のストレスの原因にもなります。あとから手放すことにならないよう、迎える前に下調べを。鳴き声大きい鳴き声や頻繁に鳴く場合は大きい鳴き声や頻繁に鳴く場合は騒音対策を騒音対策を

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