【人にとっても犬にとっても快適な暮らしとは?】
・家の中で暮らすようになってからの大きな変化・
ジョンを飼い始めてから3年後に、ジョンが来る前から可愛がっていた
ウサギが急に亡くなり、家の中が寂しくなってしまったのに乗じてジョン
は家の中で主に暮らすようになりました。もともとジョンは家の外、ウサ
ギ家の中で飼っていた上にウサギがジョンを怖がっていたので、たまに窓
の硝子越しに姿を見せ合うくらいで、直接接触をした事のない2匹でした
。しかし家族の気持ちを察したのかしばらくはジョンもしょんぼりと大人
しくしていました。そっと家族に寄り添ってきたので家の中に上がっても
誰も怒らずいつの間にかジョンが寝るためのスペースが出来ていたという
感じでした。
いつの間にか自分で勝手に“お座敷犬”に昇格していたジョンですが、
家の中で一緒に暮らすようになり大きな変化が現れるようになりました。
一番大きな事は自分から進んでお腹を見せるようになったと言う事です。
それより以前に私は犬がお腹を見せるのは、“お手”や“お座り“と一緒
で教えなくてはいけないんだと思っていました。それで何度かひっくり返
そうとした事があるのですが、冬に袖にたるみのある服を着ていた時に怒
ったジョンに服の両腕のたるみ部分を咬まれた事があり、それ以来試さな
くなりました。家の中でジョンがうずくまって寝ている時に背中などを撫
でていると自分からお腹を見せるようになったのです。今ではちょっとさ
わっただけで自分からどんどんお腹を見せてくれるようになりました。そ
れまでに3年かかりました。しかしお腹を見せてくれるのは信頼や服従心
の現れとも聞きますし、まさかお腹を見せてくれるようになると思いませ
んでしたので本当に嬉しい変化です。そしてこれは昨年の11月位ですから
5年かかってやっと出来るようになったのですが、今では抱かえ上げる事
も出来るようになっています。
・成犬になってからでもルールは学べる・
犬を外で飼うか家の中で飼うかというのはそのご家庭ごとの考え方や事
情があるのでしょうが、折角犬を飼うのなら出来る事なら是非家の中で一
緒に暮らされる事をお勧めします。犬はもともと群れで集団生活をする生
き物なのでいつでも家族と一緒にいられると言う事に幸せを感じ、すごく
気持ちが落ち着くようです。ジョンの行動、仕草で家族の雰囲気が和やか
になる事もあるし、これが同じ犬かと思う位に外で飼っていた時とは違う
面を沢山見る事が出来ます。体重が23sと比較的大きいので大きさを先に
聞いた人は当然外で飼っていると思われるようで家の中で飼っていると
言うととても驚かれる事があります。でも犬には、犬にわかるように教え
ればちゃんとルールを覚える事が出来るので想像されるほど邪魔にはなら
ないし、一旦ルールを決めてそれが習慣になってしまえば気を遣う事もあ
りません。
我が家のルールと言えばすごく簡単で、
@.「どいて。」と言われたらジョンが場所を譲る
A.ウサギ達がいる私の部屋には入らない(私もドアをきちんと閉めるよ
うに気を付けています。)
B.布団の上には乗らない
と言った事です。特に気負ってしつけたと言う事ではなく駄目な事をすれ
ば「駄目!!」と言い、良い事をすれば「おりこうね。」とすぐに褒める事
で、基本的には“常に人を優先する”と言う事を自然に覚えていきました
。トイレに関しては最初から家の中でしないと決めているようで助かって
います。他の動物に関してもそうなのですが例えば本能である“吠える”
事を一切禁止する事は出来ませんが、ジョンがどんな時に吠えるのかを観
察しそういう状態を作らないようにするなど、本能で仕方ないけれどもな
るべく人間が譲れるところは譲ってお互いストレスを感じない環境が作れ
るように考えて努力をする事は大切だと思っています。
最後に「ジョン万次郎」から学んだ事なのですが、ジョンを保護して
本当に良かったと思っていますが実際はお金も労力も使うので本当に大変
です。もう1匹出来るかというとすぐには「はい」と言えません。しかし
やはりジョンの事もあって1匹で歩いている犬を見かけると『どうにか
してあげたい』とは思います。だからと言って、ジョンは他の犬が嫌い
だし、他にその犬を連れて行けて一生面倒を見てくれる所も心当たりが
ありません。そのため気になりつつも手が出せずもどかしい思いをする
事があります。
そういう犬たちは代々生まれた時から野良犬なのではなく、
人に飼われていたのが捨てられたり迷子になって帰れなくなったりと
いう経験を持つ犬が多いと思いますのでまずは縁が合って出会った、今
自分が飼っている動物を大切にする事が一番大切だと思います。
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【完】
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